私たちは銀河系と言う渦巻き小宇宙の中に住んでいる、日ごろ生活の中ではなかなかそうしたことを実感できないでいる 広大な宇宙空間にはそうした小宇宙が数千億個存在しているという。
昨夜星が綺麗だろうと夕食後ビジターセンターに観測で上ってきた、今回は小宇宙を撮ろうと意気込んでいたが嫌な雲が広がり始めしばらく待機して宙友と星談議に花を咲かせていた・・星の話は尽きることなく延々と続き何と7時間が過ぎた、宙友のK氏を見送ったころ見上げると星が出始めていた・・今から重たい赤道儀の組み立ては嫌だしすぐに眠くなるかも・・・と今回はポータブル赤道儀をセットして、夏の銀河を待っていた
春の夜空は少し明るく感じたが三時半頃に白鳥座をはじめとする夏の大三角まで上り撮影を開始した、気温は低いものの真冬とは比べ物にならない暖かさで薄ら霜が降りる程度、カメラの設定を変えながら銀河を撮り続けた
白鳥座にはうすい散光星雲があり撮っていても楽しい領域、あっちもこっちも色々撮りたくなって雲台を動かすが気が付くともうすぐ夜明けが迫っていることが分かり慌て始めた
みずがき湖から見る南の空は少し明るい、でもすでにさそり座も上がり空は夏もように変わっていく たて座の辺にはより濃い銀河が見え始め気持ちがはやる
山のすぐ上にはM8やM20が木々に引っ掛かりながらも良く見えていて撮影しながら双眼鏡で観望と欲張って思い切り星に浸かった
アンタレス付近には球状星団も見えてさそり座自体もだいぶまっすぐに立ってきた・・もうすぐ夜が明けてしまう・・・
最後に銀河の濃い部分を撮ってしまわねば・・少し露出を長くして撮っている間づっと銀河系の中心方向を見つめていた、私たちの住む広大な銀河系宇宙を内側から見ている、色んな思いが巡り、一瞬時が止まり音が止まったような気がした、
撮り終わると東の方に朝がやってきた、
地球に近付いているパンスターズ彗星の事も気になり、今後現れるであろう北東の空を撮っておいた・・ちょうど小さなみずがき山が見えている 夜明けのスピードは加速して星星は消えていった。
部屋に戻りお茶を飲みながら先ほどの銀河系の事を思い出ししばし頭の中の想像を拡張しながら宇宙の余韻に浸っていた。
今回無理して臨んだ撮影だが今しか見れない今しか撮れない天体は沢山あり、星友や宙友にも影響され今後出来る限り宙に寄り添おうと感じた一夜だった。