今月11日のこと、20時ころからみずがき湖での観測を始めた。地球に近づいているウイルタネン彗星や、少し早いが小さな銀河を冷却CMOSで撮ろうとあれこれ計画していた。ところがいざ撮影となるころパソコンがASI1600MMを認識しない、なんども接続しなおすが、寒さでケーブルは固く重くよういには曲がらない。USBポートは緩くなってしまい反応が鈍い、USBハブにつなぐとパワー不足で反応がない・・・。こんなトラブルに寒空の下3時間ほど右往左往し、そして冷却CMOSを諦めたのだ。もう一台買い足したカラーの冷却CMOSの調子までは見ることはとてもできなかった。
・・・もうやめて寝ようか・・?とも考えたが、都市部の天文家が数時間もかけ遠征に来たり、重い機材を組み立て方つけたりなど考えたら、このくらいのトラブルは自力で回避しなければ今後はない「喝」とばかりに、思いついた少し古いカメラEOS7Dを一階の事務所から持ってきて30センチ反射に取り付けた。この時接眼部には、少し前から取り組んでいた方法、テレプラス×2を組み込み、焦点距離を3000㎜に伸ばしていた。そしてM51、子持ち銀河を導入した。
当初の計画から外れたカメラを取り付けているため少しモチベーションが下がっていた・・・が、7Dのモニターに浮かんだM51を見ると「おおーっ凄い、デカい」と小躍りしそう。雲の通過でコマ数は稼げなかったが、久しぶりの7Dデータを画像処理してみた。
BKP300.テレプラス×2.EOS7D.iso3200×13コマ
ずーっと前に試した方法でコンポジットして、赤いHⅡ領域を引っ張り、銀河の腕の青い色も持ち上げると、こんなにカラフル?な渦巻き銀河が仕上がったのだ。7Dで撮影していたころ、宙友のK氏やYさん、愛好会のメンバーなどからこのカメラの写りの良さについて絶賛してもらっていたが、やはりEOS7Dは凄いカメラなのか?また、画像処理の少し手抜きの思い付き工法?が良いのか?このHⅡ領域はなかなか出せないというのだ。
これなら7Dを事務所の片隅にほおっておくわけにはいかない。今後も他のカメラたちと併用して性能を引き出したい。
・・・今回、トラブル続きだったASI冷却カメラの撮影ソフトインストールにおいて投げ出したいくらい出来なかった作業を宙友のK氏により解明しインストールに至った。
今後はEOS7Dも、ASI冷却カメラもフルに稼働させ、好きな系外銀河を撮影していきたい。
撮影ソフトインストールにあたり作業をしてくれたK氏、またEQ6PROのアライメントテクを教えてくれた愛好会のKさん、ともに有難く感謝します。